「温泉」という言葉を聞くと誰もがリラックスした気持ちになれるのではないでしょうか。心身ともに緊張感を解くことができる温泉は私も大好きです。
 温泉ソムリエ認定証
写真➀
 そして、「温泉の知識」と「正しい入浴法という技術」を身につけているのが「温泉ソムリエ」で、私もこの認定を受けました
(写真①)。

 
 温泉ソムリエに認定されるには、温泉ソムリエ協会主催の講習を受けなければなりません。その際に使用されるのが「温泉ソムリエテキスト」(写真②)で、308頁にも及ぶ温泉に関する事典です。以下に記載することもこのテキストを参考にさせていただいています。
 
 「温泉」は、温泉法第2条で「地中から湧出する温水、鉱水及び水蒸気その他のガスで別表に掲げる温度又は物質を有するものをいう」と定義されています。ここでいう温度とは「25℃以上」と定められています。つまり法律的には冷たくても温泉、成分が含まれていなくても温泉となり得るのです。

 皆さんが温泉に行かれた際に脱衣所に「温泉分析書」という何やら難しいカタカナの成分名と細かい数字がたくさん書かれた紙が貼ってあるのにお気付きの方もおられると思います。これこそが、その温泉の全てを語るプロフィールなのです。 
 
写真②
  「泉質」や「pH値」(7.5以上で美肌効果あり)、「適応症」「禁忌症」等いろいろと書いてありますが、注目すべきなのは、加水、加温、ろ過、循環の有無です。
 加水していれば成分は薄まりますし、ろ過、循環していれば温泉の鮮度が落ちやすく、塩素消毒しないとレジオネラ属菌が繁殖しやすくなります。そして、これらがないのが「本物の温泉」です


「源泉かけ流し」の温泉と称して宣伝している旅館が数多くありますが、中にはこのろ過、循環を行い、塩素消毒している温泉も少なくありません。私はこのような塩素臭のする湯を使い回す温泉は正直好きではありません。日本源泉かけ流し温泉協会は「源泉かけ流し」の定義を「湧き出したまま成分を損なわない源泉が、新鮮な状態のまま浴槽を満たしていること」と定めていますが、これこそが「本物の温泉」だと私は思います。
 
写真③
 では、この「本物の温泉」を知るにはどうしたらよいでしょうか。
私は小林裕彦さんという岡山の弁護士さんが書かれた『温泉博士が教える最高の温泉』(集英社)(写真③)という本をお勧めします。

 この本は著者がご自身で足を運んだ全国の「本物の温泉」を紹介した本で、何よりも旅行業者や旅館の利益ではなく、専ら「消費者(利用者)の利益のため」という法律家ならではの視点で書かれていて、同業者として共感できるものです。この中には私が気に入って複数回訪れている「本物の温泉」も漏れなく載っています。
 
 「正しい入浴法」に関してですが、入浴前に十分な水分補給をして、心臓から遠い体の末端から十分にかけ湯をすることは皆さんもご存知だと思います。そして、長湯をせず、「3分入浴→休憩→3分入浴→休憩→3分入浴」というようにしてこまめに短時間の入浴を繰り返すことが免疫力アップに効果的です。
そして、最後に湯口から出ている新鮮な温泉を上がり湯として体にかけ、その温泉成分を残したまま、浴室内で体を拭き、水分補給をしてから、30分ほど横になって休むというのがお勧めの入浴法です。さらに入浴中には、ニコニコ笑顔をつくって入浴すると幸福感が得られ、脳が活性化しますので、試してみて下さい。

 コロナ禍で、様々な制約はありますが、「本物の温泉」は心身の疲れを癒してくれます。
皆さんも是非「本物の温泉」を訪れてみて下さい。


1-私の趣味は 考古学
2-考古検定
  3-古墳時代研究への疑問
  4-前方後円墳は「蛇」
  5-遺跡の見方
  6-ドラマ出演
  7-温泉ソムリエ
  8-東京五輪・パラリンピック大会ボランティア



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