昨年の上級クラス合格に続き、今年は「考古検定」で、「考古系大学院修了程度」の「最上級クラス」に合格しました。

 私の専門は古墳時代ですが、研究が進むにつれ、従来の研究姿勢にさまざまな疑問が生じてきました。
 まず、今から1800年も前の状況を考えるにあたって、現在の「国境」や「国家間の状況」を前提に考えてしまう嫌いがあることです。


 具体的にいえば、当時の朝鮮半島の勢力が、北九州の一部を含めて統治していたと考えても決しておかしくありませんし、台湾の勢力が南九州に力を及ぼしていたこともあり得ることだと思います。
そして、当時の支配者が朝鮮半島出身の人間であっても、何ら不思議はありません。

 また、逆に北九州の勢力が朝鮮半島の一部を統治していた可能性も、朝鮮半島のリーダーが北九州出身の人物であった可能性も十分あり得ることなのです。

 次に、考古学は、「物」を基本に研究する学問ですが、当時の全ての遺跡を発掘できているわけではありません。おそらく日本全土の0
.01パーセントも発掘できていません。


埴輪(室宮山古墳
  たまたまある地域で、当時としては特殊な遺跡のみ発掘されている場合もあり得るわけで、その遺跡のみを前提に議論を進めてしまうと大変な誤りを犯しかねません。

今城塚古墳
 
 現在の発掘は、地方自治体が主体として行うことが多く、発掘にはお金がかかります。その予算を獲得するためには、現在の目に見える利益がなければならず、地元の発掘担当者も、その方向で見解を構成せざるを得ないでしょう。

 奈良の市町村の発掘担当者が、邪馬台国は北九州に存在したと主張することはこのような背景からも、人間の基本的な郷土愛的感情からいっても無理があると思います。

 そして、古墳時代については、現在でも、直接目に見える「古墳」自体にあまりに目を奪われて、地中に埋もれてしまっている集落や生産施設に思いを致す感覚が希薄なことです。

 そこで、私は現在、当時の集落遺跡に一番関心を持っています。
考古学を生業としない者として、このように自由な立場、発想からさらに研究を深めていきたいと思います。

   

1-私の趣味は 考古学
2-考古検定
  3-古墳時代研究への疑問
  4-前方後円墳は「蛇」
  5-遺跡の見方
  6-ドラマ出演
  7-温泉ソムリエ
  8-東京五輪・パラリンピック大会ボランティア


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